昔働いていたスーパーで、酒類販売全国トップを取った時の手法をまとめてみる。
◾︎三ヶ条
1、売れているものを売る
超絶当たり前。
店によっても違うし、配置場所によってもちょっと変わります。
当店では、スーパードライ、PBの4ℓ焼酎、鬼殺し、オーストラリアの格安ワインが各種トップだったので、場所を広めにとって「目につきやすく」「空の状態を作らない」ようにしていました。
2、価格と売れ方の把握と、売り場の配置コントロール
例えば、同じスーパードライ6缶でも、広告「1280円」の時もあれば、「1180円」の時もあります。
もちろん「売れ方が違う」。
しかしながら「商品を置ける場所は有限」です。
どこの店舗も「最も目立つ場所」というのがあります。
そこに「最も売れる価格と商品のモノを持ってくる」事で、売り上げを最大化する事ができます。
売れる値段の時は「売れる商品を広げて置き」、売れない値段の時は「別の売れ筋商品と組み合わせて置く」。
同じ場所で「売り方を変える」事により、同じ期間でも売り方が変わってきます。
3、損切りは大胆に
新商品も毎月大量に発売されます。
大半が入ってくる訳ですが、売り場はの広さは有限です。
そして、「全ての新商品が売れる訳ではない」。
そうです。
「売れ残りが出る」。
しかしながら、その売れ残りに付き合っていては、「次の商品が出せません」。
どうするか?
「値段を下げる」のです。
値段を下げるという事は、純利も落ちるし売り上げも落ちるので、なるべく下げずに売りたい。
そうすると問題は「どこまで下げるか?」なのですが…。
答えは「どこまでも」です。
さすがに半額を切るとお客様には売れない(法的にも売り場に出せない)ので、「社員販売」という形をとり、内部で販売していました。
特に酒類は「税金」が加算されているため、1割も引けば赤字です。
しかしながら「次の商品が出せない」というリスクが、「赤字を上回る」。
よって、赤字でも売り切った方が「結果的に得をする」という状況になるのです。
*以下、脱線
ユニクロが去年(2015〜2016年冬)の暖冬で大赤字を出しました。
これは上記のように「赤字でも売らなければならない理由があったから」です。
どこぞのアナリストのぶんせきのように「ユニクロが売れなくなったから」ではないのです。
小売は基本的に「小回りがきかない」です。
年間スケジュールで「ケツが決まっている」ので、「販売期間が決まってくる」。
無限に保管できる「EC」ならさておき(アマゾンのように「特別倉庫」を持って管理できる)、店舗で売っていくには「物理スペース」がどうしても足枷になります。
現在のユニクロは「EC」が充実していて、オンラインと店舗を一元管理する事によって、無茶な値引きを極限まで少なくして売る事が出来ている印象です。
これからの「小売のあり方」として、理想的なやり方です。
◾︎もちろん「運が良かった」
働いていた店舗は、全体の売り上げでも関東3位の売り上げがある店でした。
と同時に、発注担当の方々がまあ頭が柔らかい人達で、「こうするとどうですかね?」と言うと、「んじゃやってみるか」と、即試してくれたというのが大きかった。
そして、「特売の売り場」(ドンキとかで山積みになっているあれ)は、筆者が8割を自由に管理させてもらっていました。
んで、フィードバックを持って行って発注→結果→適正を探す(仮説を作る)→フィードバックを得る→持っていく…という流れになりました。
その中で、発注担当の方から、前回の売り上げはこのくらいだからこの程度が適正とか、今回は仕入れ値(原価)が安いから多めに取ろうとか「尊重すべき意見」が大量にもらえた事が大きかったです。
「1人で売り上げを出した」と思った事は「ない」です。
「チームが優秀だったので」出せた結果です。
◾︎まとめ
特に難しい事は何もしてません。
「最も売れるモノ」を「最も売れる値段の時に」「最も売れる場所に並べる」。
誰でも出来ます。
ちなみにセールストークのようなモノは「一切使ってません」。
最適化させただけです。
ちなみに筆者が酒担当になってから、年間成長は「常にプラス」でした。
これは店舗の「運」の要素と、本社が選択する「広告の品」が適切になってきた事も関係しています。
小売でなくとも、「モノを売る仕事」をしている方には見知ったやり方だったかと思います。
ここから、さらなる「商品把握」と「商品の売れるフィールドを探す」のが、営業と言われる仕事です。
向き不向きもあると思いますが、何かしらの「気付き」になりましたら幸いです。
お読みいただき、ありがとうございました♪