小売がヤバいと言われ、店舗販売の価値が軒並み低下しつつある現在、対面販売はどうやって利益を上げているのか?という事でこれ。
■商品を売る
「接客業」というイメージがこれ。
飲食店からスーパー、車の販売まで、ごり押しで売れば売るだけ利益になるパターンです。
販売店員も押しが強いが、客も「商品」をいかに「安く買うか?」に注力しています。
もちろん、販売店員の説明やアフターケアが良いから買ったという事もあります。
…が、「競合より安かった」という事と「販売店員の親切さ」を天秤にかけて、親切さが上回る事はあまりないのがここの特徴です。
ペッパー系ロボットに仕事を奪われる未来が濃厚です。
■体験を売る
リゾートホテルや、高級ブランド服メーカーなどがこれに当たります。
広義的に言えば、情報商材やコンサルなどもこれに入ります。
ここの特徴は、「価格以外の価値がある」という事です。
高級リゾートへ行って、ラブホテルのような機械的な方法で過ごすというのは、本当に魅力があるのか?
高級ブランド服を買いに行って、ロボットが勧める「似合う服」を買うためだけにわざわざ店舗に出掛けるのか?
…ないですね。
●リゾートホテル
リゾートホテルの利用は「快適さ」と「癒し」が最上位であり、そのための店員(人間)とのコミュニケーションは必要です。
完全にカップルで篭る、もしくは家族だけで過ごしたいならばロボットが主でも良いですが、ホテルという「雰囲気」を味わい楽しむためには、全てがロボットで機械的な事が「快適」で「癒される」とは到底思えない。
多少面倒くさくても、調べればわかる事であっても店員と無駄話しをして情報を仕入れ、ゆったりと過ごしながら気が向いたら行ってみるような使い方がメインです。
あくせくとアクティビティだ!観光地巡りだ!という人は、そもそもがリゾートホテルを利用しない可能性が高いですし、利用したとしても1日、リピーターになるのは相当稀です。
なので、気さくに話せるコンシェルジェが「雰囲気」をも提供するリゾートホテルは、一定の価値を持つと思います。
●高級ブランド服
服を買いに行く理由は「似合う服が欲しいから」と「欲しい服があるから」の2パターンがあります。
1だけで買いに行く人は稀ですが、「店員のオススメをそのまま買う事が多い」もしくは「押しに弱い」という人は大体が1です。
2の人は、押されまくっても、試着しまくって「これはちょっと違う」などと言える人がメインで、確固たるイメージがあって買いに行く人です。
で、高級ブランド服を買おうなんて奴は、大体が2です。
*稀にバナナマン日村のような、1タイプもいる。
その場合、客側から求めるモノは「その店員のセンス」です。
定番は知ってるし持ってるし、基本の服合わせも大体知っている訳です。
例えば、欲しいパンツが合ってそれに合う上を見繕ってもらう場合、「定番はこれで」「流行りはこれで」までは誰でも出せますし、ペッパーでもやれます。
そこから「でも、僕(私)のオススメはこれです!」というのが出せる人がいるのです!
これがハマった時の買い物は最高で、これが買い物の醍醐味であり服選びに1日潰してしまう所以でもあります。
服飾店員とのコミュニケーションの面白さは、この「個人を感じれるかどうか?」にあって、これはロボットで代替えできるものではありません。
●コンサル&情報商材
これはそもそもが人間が考えた発想が元であるため、ロボットで代替え出来ません。
以上の3つが、どこまで行っても「人間がやる価値が残る」のではないかと思います。
■まとめ
アナログコミュニケーションの面白さというのは、そういう「ハマった時」…分かりやすく言えば、同性でバカ騒ぎしてる時や、異性と最高に愛し合っている時など…に最大化されます。
ハッキリ言ってこれより面白いモノはありません。
なので、日常生活の「業務」…つまり、「感情が入らない」ような領域では、ロボットの存在感は増していくでしょう。
逆に「遊び」…つまり、「感情が動く」領域では、相手が人間じゃなければ楽しさが半減してしまうので、人間がやる仕事が残ります。
今の自分の仕事は感情が動く仕事でしょうか?
少し見直してみても、面白いかと思います。